2016.8.5 BLOG

クリエイターとしてメモ – 2

ものを作るプロジェクトをスタートさせる時、行き当たりばったりで事を進めて行くことは、決して効率の良いものとは言えません。
それは人の為に、誰かと共同でもの作りを行う時には特に意識が必要です。

ドキュメント提示の必要性 –

顧客や上司にアイデアを提案する時、また、外注や部下へ仕様をお願いする時には、自身では完成形を想像することは容易い為、口頭や簡単な文章で内容を伝えようとしてしまうことがあるかも知れません。
しかしそれは自身の記憶の断片から想像した、あくまでもオリジナルの情報から言葉が生まれる連想ゲームの様なものの為、それぞれが頭の中で全く違った想像をしてしまいます。

例えば、「濃い赤色で」と言われても、それは真っ赤に開花したチューリップの様な印象なのか、信号機や警報機が示す光の様な印象なのかは他人はわかりません。
他にも、動画制作の現場等で「凄く速いスピードで動きを付けて」と言われても、サーキットで目の前を通過するレーシングカーの様な印象なのか、広大なジャングルの風景の中で獲物を捕まえようと走っているチーターの様な印象なのかわかりません。

この連想ゲームの様な状況は、提案の場面では「何故、上司(もしくは顧客)はこの素晴らしいアイデアに食いつきが悪い、あるいは何故、頭ごなしに否定して来るのか…」という不満を生み出し、お願いする場面では「何故このニュアンスを理解してくれないのか、理解してくれる人は他に居ないのか…」という課題を生み出してしまいます。
どちらも結果的に間違った方向へと思考が進んでしまいます。

このネガティヴな状況へ駒を進めてしまわない為にも、双方が理解出来る共通言語が必要になります。
それを我々はドキュメントと呼びます。

 

気持ちの良い制作環境を作る為に –

ドキュメントは誰でも簡単に用意することが出来ます。

ドキュメントとは、写真や、イラスト、また時には動画や音が含まれます。
ドキュメントは自分で撮影して素材を用意したり、実際に製作をすることも出来ます。
しかし、その為に時間が掛けられない、理想とする素材がある場所へ足を運ぶことが難しいこともあるでしょう。
そんな時はgoogleの検索システム等を使ってキーワードから素材を探し出し、ダウンロードして利用することも可能です。
(但し、資料や商用等で二次利用が許されているものかどうか、権利の確認が必要です。また、引用した場合は引用元URLや表題、作者の表記も忘れずに記載しましょう。)

ドキュメント収集とは、主に視覚的、聴覚的な資料の準備を行うことを言います。
勿論、キーワードや文章の補足も必要になりますが、多くを語る必要は無いでしょう。

この共通言語の準備は、我々の様な映像やデザインといったコンテンツの制作現場だけでは無く、美容業界や建築現場等、様々な業界で同じ様なことが行われています。

誰もが違った記憶、感覚を持っているということは当然なことと理解してプロジェクトを進めて行くことが出来れば、効率も上がり、お互い気持ちの良いもの作りが出来るでしょう。